
みなさん、最近恋してますか?
仕事場と家を往復する日々で、きらきらしたことなんてご無沙汰…って思ってませんか?
今日ご紹介するのは、ちょっとした悩みなんてどうでもよくなるほど
まっすぐでおかしな恋愛ファンタジーです。
もくじ
夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦

「四畳半神話大系」、「ペンギンハイウェイ」「有頂天家族」、数々の有名作に並ぶ森見さんの代表作です!
2006年の作品ですが、翌年の山本周五郎賞受賞、直木賞候補へ選出、本屋大賞2位を獲得しています。
累計160万部を記録するベストセラー、多くの方に愛されている作品ですね!
実はわたしは最初、森見さんのかっちりとした文体を少し苦手に感じていました。
しかし、これを楽しめるようになりたい!と思って頑張って何作品も食らいついていました(笑)
するとなんだか急に楽しめるようになったのです。不思議。
リズム感というか、語調に一緒に乗っていけるようになりました。
皆さんにもぜひリズムを楽しんで読んでほしいと思います。
あらすじ
「黒髪の乙女」に恋焦がれる、「先輩」のお話。
先輩は彼女の目に留まるために、京都の町の至る所で彼女を追い求めた。
しかし先輩の熱い想いはなかなか届かず、鈍感な彼女は全く気付かない。
ぐるぐると京都の町を巡り続ける2人の周りでは、
ひと癖もふた癖もある変人奇人たちによる珍事件がたくさん起こる。
先輩の熱い想いは無事彼女に届くのだろうか?
名言
「かくして私は呟いたのです。夜は短し、歩けよ乙女。」
「こうして出逢ったのも、何かの御縁。」
感想
森見登美彦さんはよく、京都の町を舞台にした作品を書かれています。
ご自身が京都大学出身ですし、大学時代を過ごした思い入れのある町なんでしょうね。
変人奇人ばかりが出てくる森見作品のルーツは、ご自身の体験もきっと含まれているんだろうな、なんて思いながら読んでいます。
さて。わたしがこの作品を好きなのは、2つ。
ひとつめはやっぱりリズム感というか、テンポのいい会話です。
登場人物みんなみんなおしゃべりで、なんだかちょっと皮肉がきいていて、ぽんぽんと展開していくお話がとても心地よいですよね。
そしてもうひとつ。
馬鹿正直に何かに打ち込む姿がとてもかわいくいとおしく感じることです。
黒髪の乙女に恋焦がれる先輩はもちろんですが、
作品の中に出てくる個性的なキャラクターたちは、みんな自分の信念のような、生き方をしっかり貫いています。
パンツに願掛けしているパンツ総番長もそうですよね(笑)
わき目もふらずに何かに一生懸命になれるってとても大切なことだなあと思わせてくれるのです。
なんだか希望のない時代に思えるかもしれないけれど、
こんなときだからこそ、何かにまっすぐ打ち込んで行きたい。
恋愛や、やりたいことに、自分の気持ちに、いつでも正直でいたいなと思いました。