
身近な方との人間関係に悩んでいませんか?
大切な人となんとなくうまくいかなくて、毎日がぱっとしない。
毎日、わたしツイてないな~なんて思ってませんか?
ちょっとした出会いや気づきで、何でもない毎日が違って見えるかもしれません。
もくじ
猫のお告げは樹の下で/青山美智子
今日ご紹介するのは
青山美智子さんの「猫のお告げは樹の下で」です!
「木曜日にはココアを」以来ビックファンとなった青山さん。
2018年読書メーター読みたい本ランキングで月間1位を獲得しているそうです。
多くの人に愛されるこの本、きっとみなさんの心の琴線にもバシバシ触れてくるでしょう。
短編集ではありますが、どのお話も少しずつ、自分と重ねる部分があって、
うるうるとしながら読めました。
それでは参りましょう!
あらすじ
何気なく立ち寄った神社で出逢った不思議な猫、ミクジ。
ミクジからのタラヨウの葉に書かれた「お告げ」は、
毎日の身近な人との人間関係に悩む人々の世界を
大きく変えてくれる。
失恋した美容師。
中学生の娘と昔みたいに仲良くしたいお父さん。
自分のほしいものもわからず、とにかく就活している就活生。
家族に素直になれないおじいさん。
苔を愛する小学生。
夢を諦められない主婦。
人気の占い師。
それぞれ、みんな悩みがある。
十人十色の悩みが、ミクジのお告げに導かれていく。
名言
「オレにしか弾けないギターなんてない。
ただ、オレだから弾けるギターがあるって、そう思うんだ。」
感想
冒頭にも書きましたが、青山さんの短編集を読むといつも驚くのが、
1話1話に、自分の気持ちが救われる点が必ずあるということ。
だいたい短編集を読むと、1つくらいは解釈が難しくてよくわからなかった…というものだったり、あまり心情がひびかないものがあったりしませんか?
青山さんのお話は、読み終わるといつも心が軽くなったり、あたたかい気持ちになれます。
毎日毎日忙しくてギスギスしてしまうけど
本当は大事にしたいものがあるよねって
忘れちゃだめだよって
言ってくれている気がします。
わたしが特に好きな話は、2つ。「チケット」と「ポイント」です。
「チケット」は、アイドル追っかけの中学生の娘と、そのお父さんのお話。
思春期の娘とうまく会話できなくて、でも仲良くしたいお父さんの姿と、そっけない娘の姿。
好きなものを理解してくれないことに嘆いている娘の気持ちもわかるし、心配なお父さんの気持ちもわかるし…お互いが好きで大事なのに、うまくいってない関係にはらはらしました。
少し自分と重ねながら、どうか険悪になりませんように、なんて思いながらページをめくるドキドキが楽しかったです。
家族が仲いいっていうのは本当に素敵なことですよね。
もし私に家族ができたら、みんなの好きなものは全力肯定して応援してあげたいなって思いました。
もうひとつは、「ポイント」。
やりたいことが見つからないけど、とにかく内定をもらうために就活している大学生と、フリーターでギターを弾いてる先輩のお話。
まるで正反対な彼らで、世間的には頑張って企業で内定もらって、安定した生活を歩むほうがいいのかもしれないけれど、これがまた、そのフリーターの先輩がとても輝いているのです。
「こうあるべき」の思考がなかなか手放せないわたしにとって、とてもまぶしい存在に移りました。
でもきっと、考え方がちょっと違うだけなんですよね。
その人にも、わたしにも、「わたしにしかできないこと」なんてないんだった思うと、自分がどんなふうに生きて、何をしていきたいかが重要なのかなって思えました。
普段は気づけないような身近な人の尊さとか、他人からもらう気遣いや優しい言葉のありがたみとか、そういうものに気づかせてくれる青山さんのお話、これからも追いかけたいです。
いつかは長編とか書かれたりするのかな??
どちらも楽しみにしておこう。