実家が恋しくなる。 島はぼくらと/辻村深月

最近実家に帰ってますか?

なかなか帰れない。

そんなことが当たり前になりつつある人もいるのではないでしょうか。

今日は、実家に帰りたくなる本をご紹介します。

島はぼくらと/辻村深月

久しぶりに辻村さんの作品をご紹介します。

辻村さんといえば、6月に新作「琥珀の夏」を発売されましたよね!

「青空と逃げる」も文庫化されたので早く読みたいなと思っています。

「島はぼくらと」は、辻村さんが描く、青春小説。

今まで読んできた作品は、いじめのことだったり、ホラーめいたところがあったりして、少し人間の暗いところが見えるものが多かったように思っていました。

もちろんそういうところも好きですが!!

この「島はぼくらと」は、読後感がとてもさわやかで、うれしくてそわそわとして、胸がぎゅっとなるようなものでした!!

それではあらすじに参りましょう!

あらすじ

瀬戸内海の小さな島、“冴島”で暮らす、4人の高校生、

朱里、衣花、源樹、新。

彼らは島でたった4人だけの同級生で、フェリーで本土の高校に通っていた。

島に住む子どもたちは、高校卒業と同時に島を出ることになっている。

一緒に過ごす時間が残り少なくなってきて、別れの気配を感じていながら日々を過ごす4人だったが、

ある日島に見知らぬ青年がやってきた。

なんでも冴島には、幻の「あるもの」があるらしい。

ちいさな世界を生きる彼らの、青春の物語!!

名言

わたしはきっと、これを言う人になりたかった。

「おかえりなさい」と、力を込めて言う。

感想

正直に言います。

実家が嫌いでした。

嫌い、というか、窮屈でした。

両親にも、兄にも「いい子」であると思ってもらわなくちゃいけない、といつも思っていたわたしにとって、

地元にい続けることはひどく苦しいように思えて、大学選択の基準は「県外であること」が大きな比重を占めていました。

わたしの地元は田舎です。

町を歩けば次の日誰かに「昨日●●にいたでしょ」言われることはよくあるし

新しいお店ができれば、「あの店は○○地区の○○さんの息子さんがやっているらしい」、なんて話も勝手に耳に入ってくる。

みんなが「いい子」ではなかったわたしの子どもの頃を知っているし

地元にいるとなんだかいつも監視されている気がしていたのです。

窮屈。窮屈。窮屈。

そう思い続けていざ実家を出て、もう9年になりました。

そして去年は初めて、1年ほど実家に帰れなかった。

久しぶりに帰った実家では「おかえり」って迎えてくれて、そのときにじわっと胸が熱くなった気がしました。

帰れる場所があるって嬉しいなって思った。

窮屈だなんて思ってごめんね。

わたしを守ってくれる場所なのに。

そう思いました。

この「島はぼくらと」でも、

小さな狭い世界で生きる鬱憤のようなものと、外の世界へのあこがれと、でもやっぱり地元が好きだと思う気持ちが描かれていると思います。

わたしはすごく共感しながら、じわじわと涙を流しながら読みました。

このコロナ禍でなかなか実家に帰れない人も多いでしょう。

1年以上も我慢させられ続けて、帰れないことが当たり前になってしまっている部分もある。

ぜひ、これを読んで実家に帰りたいなって思ってほしい。