
今日は乙一さんの「暗いところで待ち合わせ」を紹介します!
文庫本の表紙が怖すぎる問題とタイトルがホラー系すぎる問題がありますが、、
ギャップにおどろくなかれ。ホラー話ではございません!
この作品は映画化もされていて、わたしの出会いは映画が先でした。
映画の予告をみて、なんて面白そうなんだ、と思ったのを覚えてます。
田中麗奈さんの透明感のある演技が素晴らしいんですよね!!!
映画を見た後、本屋さんへこの本を探しに行きました。
さてさて、あらすじへ。
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殺人容疑で逃走中の容疑者が
ある民家へ忍び込む。
その家に住むのは、目の見えない一人暮らしの女性。
2人の奇妙な共同生活が始まる。
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あらすじすぎますかね?笑
容疑者の目的は一体なんでしょう?
あまり多くを語るとつまんなくなってしまいそうなので、これはぜひ読んでみてほしいです。
わたしの乙一作品との「夏と花火と私の死体」だったのですが、乙一さんの書く文章は臨場感がすごいと思います。
終われている容疑者の一挙一動を、本当に体験しているような気持ちで一気に読んでしまいました。
目の見えない彼女が、誰かが家にいることになんとなく気づいてからが面白い!
目が見えないと、まっくらじゃなくて真っ白だそうですね。
とても澄んだその世界は、同時に孤独でもあるでしょう。
その孤独を和らげてくれるのは、名前も顔もわからない誰かかもしれない。
人の「善意」を信じたくなる、そんなお話でした。
わたしは絶対的「性善説」支持派でして、どんなに嫌な奴でも絶対に善のマインドは持ち合わせいると思うんです。わたしが嫌と感じるだけで、その人は悪くないのだと信じないと、なんかうまく人と関われないし、新しく関わりたいと思えなくてから・・・。
全く知らん、しかも勝手に家に忍び込んでくるようなやつ、絶対やばいやつでしょ、っていう先入観にとらわれない彼女の姿勢がめちゃくちゃにかっこいいです。
(実際は妙齢の女性の危機管理能力としてはよろしくないかもしれませんが!笑)
やっぱり性善説をこれからも推していきたいですね。その勇気をもらえた気がしています。
怖いような、どこかほっこりとする気持ちになるようなお話です。
このコロナ禍で、どうしても他人を信用できない毎日になっているし、それぞれがそれぞれの言い分を叫び、なんだか分かり合えないような世の中になっちゃってますが、こういう他人の良い部分を信じたり尊重できる世の中になってほしいな~と思いますね。そして他人が大切にしていることに、いいねって言ってあげれるようになりたいもんです。