ねっとり、コクのある女の話 BUTTER/柚木麻子

今日ご紹介するのは柚木麻子さんの「BUTTER」。
ちょっと分厚めの読み応えのある作品です。惜しくも直木賞を逃した社会派小説として有名な一作です。

柚木麻子さんの作品には、「女性」がテーマであると感じるようなものが多いです。
女の子らしくすること、男性の一歩あとを行く レディらしさ。細くていつまでも綺麗であれ。

そうあるために努力するのは当たり前であると押し付けられている。
それらと葛藤する心情が見え隠れする気がしてならない。

この「BUTTER」にもあらわれています。

男たちをたぶらかし、財産を奪い、逮捕された梶井真奈子。
彼女は若くも美しくもないのに男たちに愛されていた。

それはなぜか?

週刊誌記者の町田里佳は梶井との面会を取り付け、梶井に接触する。

梶井とのつながりがはじまる。

はじめての面会で
梶井は里佳にあることを命じた。

次の面会を取り次ぐために、里佳はそれを実行に移すのだった。
もちろん先に待ってる自分の変化なんて知らずに。

わたしの梶井のイメージは、ドラマリーガルハイ2に出てくる、小雪さんが演じる安藤貴和、まさにあの人です!
とはいっても小雪さんはとても綺麗なので、梶井とは少し違うかな。笑
でもあんなイメージです。共感してくれる人いますか??
刑務所にいてもどっしり構えて、女らしさを忘れていない感じ。自分らしさと女らしさがイコールであると思っているというか、女であることを丸ごと受け入れてそれこそが自分だと思っているところを感じさせます。

梶井は「女」という性を受け入れて、それを愉しんでいる女。

対する里佳はバリバリのキャリアウーマン。
きっとパンツスーツがよく似合う、細身でショートカットで気の強そうな女性なのだろうと思います。

努力努力努力、いつも彼女の周りには努力があり、自分自身もまわりも「努力している町田里佳」を求めてやまない。彼女が梶井に入れ込んでしまう理由が少しわかるような気がする。だって梶井は努力せずに「女らしく自分らしく」男を操り人生を謳歌している。

もしわたしが梶井に出会ったら、わたしも同じようになってしまうのかな。里佳が梶井と関わることで、どうなっていくのかお楽しみに。

そしてもうひとり、メインの登場人物がいます。
里佳の親友の伶子。仕事をやめ妊活をしているきれいな女性です。

女性としてキャリアを優先するか、妊娠して子供を授かるかを天秤にかけ悩んだことのある女性は多いのではないでしょうか。わたしはまだそんな予定はどこにもないですが、多くの女性が通る道なのかと思うと感情移入しまくりでした。

3人の、それぞれの女としての自分と、自分らしさを葛藤させる姿がみどころです。

わたし自身、自分らしく生きているつもりだけど
実は「世間からみた女としての自分」というフィルターを通して自分をみているのかもしれない、そう感じました。きっと女だから許してもらっているところもあるし、わたしもそれを期待しているところがある。「女」が仕事で頑張っているから評価してもらえているところもある。この性別に対する葛藤はどこまでも続くと思うけれど、いつかうまく付き合えるようになればいいなあ。

さて、わたしはまだまだ柚木作品を追いかけてみます。あたらしい「女性」としての価値観に出会えたらいいな。