どんな味も楽しもう 神様のケーキを頬ばるまで/彩瀬まる

彩瀬まるさんの「神様のケーキを頬ばるまで」を読みました。

5つの短編集。そして解説はなんと柚木麻子さん!!アツい。

彩瀬まるさん作品を読むのは「眠れない夜は体を脱いで」の次、2作目です。
どちらの作品でも、どこにでもいそうな、でも誰にも伝えようのない悩みをうちに秘めた人たちが物語の主人公なのです。

「神様のケーキを頬ばるまで」は、あるビルの中での物語。小さなビルの中にもたくさんの物語がある。このお話は人との関わり方に悩む人たちが主人公。

暴力を振るう息子に悩むシングルマザー。喘息に苦しむカフェの店長の恋愛。理想を追い続け片想いするOL。

みんな毎日の生活の中で、誰かとの関係に悩んでいます。
そしてまた、別の誰かの言葉や、関わり合いの中で救われていくお話です。

大学生、社会人になってから、関わる人間の数がいままでよりもずいぶん増えました。
特に仕事では、毎日10人ほどの患者さんとお話します。
そのたびに、嫌な言葉をもらうこともあれば、嬉しい言葉をもらうこともあります。

医療現場で働いていると、本当にいろんな方がいます。

厳密にいうとサービス業ではないと思いますが、サービス業のごとく、どんな方に対してもニコニコしないといけない部分があります。

無理難題を突き付けられることがあると、非常に疲弊してしまいます。時には暴言を吐かれることもあります。

そういうときには、なんでこんなことやってるんだろう?なんていう気持ちになって腐ってしまうことがあります。

でもそんなときに、いつもありがとうとか、リハビリにきてよかった!がんばるよ、という言葉をいただくと、ああ、この仕事を選んだことは間違いではなかったのかも。と思えます。

わたしにとって嫌な言葉、うれしい言葉、そのどちらもきっと、その方にとっては当たり前のように、なんでもないような言葉なのでしょうけれど、他人に与える影響はすごく大きいのですね。

いろんな人と関わることで生きているなと感じました。
わたしも誰かを救う言葉を紡げているのかな…。たくさん伝えていきたいな。

決して特別な人生ではないけど、神様がくれたこの人生、酸いも甘いも味わって行きましょう!