からだの内側と外側 眠れない夜は体を脱いで/彩瀬まる

彩瀬まるさんの「眠れない夜は体を脱いで」

窪美澄さんと並ぶ、「タイトルにセンスが溢れ出てる作家さん」だと思います!
他にも気になるタイトルだらけで、しかも表紙も可愛いときたら、ついつい手が伸びてしまいますよね…罪なひと!!笑

さて、内容についてさっくりと。


5つの短編集で構成されています。
自分の外見に違和感を持つ高校生。
女という性がしっくりこない50代の女性。
死して美化されていった女の子の秘め事。
「役割」にしがみついて生きてきた銀行マン。
そして、自分ではないものになりたがっている、彼と彼女。
彼らは眠れない夜、ネットの世界をさまよいある掲示板を見つける。

わたしは小さい頃、スカートが苦手でした。
兄がいるからがさつな性格だったからかもしれないけれど、よく男の子のような格好を好んで着ていました。
歳をとるにつれて感じなくなった違和感だったけれど、あの頃はなんとなく、なんでこうも男女が違うのだろう?わたしも兄も一緒なはずなのに、と抵抗していた気がします。

でもあれはあれでよかったのかな。比べられてずっと辛かったけど、わたしはうまく自分の「女」という性と共生できるようになったのかもしれない。
そんな昔のことを思い出す本でした。

そして一番印象的だったのは、「役割」に固執する銀行マンのお話。

この年齢になったらこうあるべきだ
父親とはこうあるべきだ
それが当然だ

そんなふうに考えているであろう言動行動が、かつての自分をみているようで、ぎくりとしました。
わたしも「〜するべき、〜しないといけない」という考えが強く、その考えこそが自分を苦しめてるとわかっていてもずっとやめられませんでした。

このコロナ禍のおかげで、「なんだ、誰の目から見ても正しいことなんてないじゃん」って思えたから少しずつ変化してきていますが、これからは自分の中身の声に素直でありたいですね!

ぜひご一読ください!!