博士に会いに行こう。 博士の愛した数式/小川洋子

小川洋子さんの「博士の愛した数式」です。
こちら第1回本屋大賞受賞作品だそうです。

この作品の入りは映画でした。
主演は寺尾聰さんと深津絵里さんでしたね。
幼かったわたしの記憶に残っていて、書店で見かけて、あ、あの映画の本だ、と思って手に取りました。

作品の映像化には賛否ありますが、わたしは肯定派ですね!
もちろんわたし自身、お気に入りの作品が映像化されたときに、イメージと違っていると、少し残念な気持ちになることもありますが、この本のような出会いをくれることもあるので、いいことだなという思いが強いです。

さて本題。紹介に行きますね!

舞台は瀬戸内海に面した小さな町。
家政婦のお仕事をする「私」が新しく派遣されたのは、「博士」の住む家だった。
「博士」は数論専門の大学教員をしていたが、交通事故に巻き込まれたせいで脳にダメージを負ってしまっていた。

博士の記憶は、80分しかもたない。

記憶を補うために紙切れをたくさんつけたオーバーを着て、愛する数字と共に過ごす「博士」。
名前より先に靴のサイズを聞かれたり、電話番号をきかれたり、数学にしか興味のない「博士」と関わるのは戸惑いが大きかったが、「わたし」は「博士」の家に通い続ける。

数字以外に興味を示さない「博士」が、息子の話が出たとたんに顔色を変え、小さな子供がひとりで留守番するのはよくない、明日から連れてきなさいと言ってきかない。

3人で過ごす毎日の始まりです。

それぞれの抱える過去や想いに感情移入しながら、ほっこりとさせてくれる1冊です。

ぜひ、あなたも「博士」に会ってみてください。

ここからはわたしの感想。


博士の記憶が戻ることはない、と絶対にわかっていても、戻って欲しい、博士にも幸せになってほしいよ〜〜〜と願いながら読んでいました。
愛なんて形のないものだし、記憶にしか残らないのに、それを奪われたことが残念でならない。そんな博士が形のない数字をいうものを愛しているのも皮肉に感じました。

80分の記憶の中に閉じ込められていても、博士はきっと幸せだったと思うな。


家族に会いたくなる、じいちゃんばあちゃんの顔がみたくなる気がしました。